映画『少年たち』を観て 〜初見の備忘録〜
2019年4月15日の夜
映画『少年たち』
しめ担の同僚に誘って貰い、初鑑賞で実演ライビュも見ることができました。
そもそも『少年たち』がジャニーズの舞台で以前からあるらしいというのはなんとなく聞いてはいましたが、内容などは一切分かっていませんでした。(看守役がある、というのは把握していました)
観る前にいくつかのレビューを読み、何度も笑わせて頂いて期待はうなぎ登り。
非常に楽しみにしていました。
ちなみに、舘様の役が「シュンソク」だと聞き、しめ担の同僚と「響きがどうも韓国とかそちらの人みたいだから、そういう役なのかな?」と予想していたら、前日に「シュンソクは足が早いという意味の俊足だそうだ」という事実がもたらされ驚きました。
“仙台”だと思い込んでいたら“豚骨”でした。発音。
さて、実演。
まさかこんなにパフォーマンスしてくれるだなんて思わなくて驚きました。
わたしはトラジャ担ですので、いいなぁ…羨ましいなぁ…という気持ちで見ましたし、担当の方はすっごく嬉しいだろうなぁと。
勿論宮近くんがソロでパフォーマンスしたのは心中全力応援です。一人DWML1!
大好きな玉虫衣装なのも嬉しい。
そこに残りのトラジャ6人の幻影を見ずには居られない。
衣装ではSixTONESのストライプスーツがとっても素敵で羨ましい‼︎皆似合っていましたが、森本くんが髪型も相まって凄く良いと思いました。ワイルドな衣装や短い髪型よりも、抑えた端正なファッションの方がワイルドさが醸し出される気がします。
絵に描くなら京本くんです。
実演が凄すぎて、しめ担の同僚とこれはチケット料金安すぎる!とヒソヒソしました。
全員が登壇した状態で舞台の端っこに宮近くんがいるのを見て、嬉しいのと同時に玉虫がひとりぼっちだ…と切なくもなりました。
グループであの場に立てている人たちが羨ましかった。
宮近くんはトラジャのセンターにいるのが似つかわしいんだ!と強く思いました。
トラジャ一人で頑張った宮近くんの勇姿、しかと目に焼き付けました。
実演の終盤がかなりエンディングめいていたので、もう映画も終わったような錯覚を抱きましたが、バーン!!とタイトルがスクリーンに映し出されて、あ、まだだった…とハッとしました。
そこから怒涛の少年たち。
細切れで印象的だった部分をあげていきます。
ネタバレがあります。
また役名が分からない人は名前(仮)と表しています。
序盤のダンスパフォーマンス。
まず、皆がツナギにバンダナ?布切れをおもいおもいに装着していたのが印象的。
それ以降は出てこなかったように思いますが…あれは何かのアレゴリーだったのでしょうか。
首に巻いているのも、ハチマキ{ジョーや佐久間くん(仮)}もまだ耐えられましたが、ハチマキの結び目が前にあるパターンはちょっと耐えきれませんでした。
何故でしょうか…結び目が前にあるだけなのに。
面白いものを見てしまったツボが突かれました。
あの布切れと帽子は同じものだったのかもしれません。ショータイムでは布切れになる。
いや、よくわからない。
誰がどんな風に装着していたのか、全員はとても覚えられなかったので気になります。
少年たちが使用している布団
わたしの目には鮮やかなピンクと緑の太い縦縞に見えました。随分可愛いじゃないか。
サイケなデザインが気になって「少年刑務所布団ストライプ」で検索したところ、どうもオレンジと緑のストライプの掛・敷布団は実際に使われているらしく、色合いが似ているため【永谷園】と呼ばれていたことを知りました。
現在は赤とピンクのストライプが主流だそうです。
派手な配色にもきっと理由があるのでしょう。
ということで、あのデザイン、配色は少年たち独自のものではないということがわかりました。
唐突ですが、この映画を見るまでわたしにとっての少年刑務所のイメージは『刑務所の中の中学校』(角谷敏夫著)でした。
帯には「生徒は受刑者。日本で唯一、刑務所の中にある公立中学校。」とあります。
受刑者が中学卒業資格を得る為に1年間勉強する学校です。
これは是非、今学生で勉強が嫌になっている方にもおススメしたい本です。中学生だと一番良いかもしれませんが、大人でも勿論興味深いと思います。
桐分校というこの学校の母校となる中学校がわたしの出身校であったこともあり、興味を惹かれて読んでいた本でした。
少し引用します。
〜一般の中学校は通常3年間学びますが、桐分校では中学3年までの勉強を1年でやりとげます。そのため桐分校では、第3学年男子のみの1学級しかありません。
学習する科目は、国語、数学、英語、理科、歴史、公民、地理、音楽、美術、書道、技術、保健体育、道徳など年度によって異なりますが、14科目ほどあり、生徒一人一人に応じてカリキュラムが工夫されています。授業は60分授業で、8時から16時30分まで1日7時間です。休み時間は午前と午後に15分間、昼休みは昼食時間を含めて40分間で12時40分から13時までは自主学習となっています。休み時間はわずかこれだけです。夜間も一般の受刑者は21時に就寝することになっていますが、桐分校生の居室だけは22時まで勉強が許されており、夜の3時間の自習時間と合わせて1日10時間の勉強を毎日続けています。夏休みも冬休みもありません。勉強漬けの1年間です。〜引用終わり
(これが出来るジャニーズJr.はTravisJapanの川島如恵留くんくらいではないでしょうか、と思う如恵留担)
考えてみればこれは少年刑務所でもかなり特殊な場所の話ですが(何せ日本で唯一である)ふんわりと過酷な学生イメージを纏ったまま映画に臨んだわけです。
もちろん、映画は映画で同じように考えてはいけないことは分かっていました。その違いをつくのはナンセンスです。
だからダンスの場面などは問題ではなく、日常バージョンのときの違和感。
す…すごい緩いんだな…と地味に驚きました。
私語が頻繁ですし(映画ですから)同時につるんでいる。
楽しいことないって言ってるけど、かなり自由度が高い気がする。
お育ちの良さが表れてしまって好きなのが、青房の面々が中庭?で座って話しているシーン。
自由時間なんだろうけれど…銀色のシートを敷いているんですね。
こんなものが支給されるってどういう配慮か?と謎ですし、行くぞ‼︎って立ち上がるときに片付けようとしていたんですね。シートを。
物凄い違和感で印象的でした。
看守がマネキンと化してのダンスシーン。
京本くんが雑巾掛けの隊を率いてV字のフォーメーションのセンターになったときは、そこはかとないアングラ感とギャグ感に触れました。
わたしは読書でも映画等鑑賞していても、推理ということを殆どしません。
いつも犯人に素直に驚いています。
しかし、今回は少し推理をした場面がありました。
それはダイケンの服役理由です。
「ちょっとした掛け違いだか行き違いだか(うろ覚え)でこんなことになってしまった」と情報屋が言うものですから、一体どんな悲劇が⁈と気になったのです。
わたしが気になったポイントはダイケンが卵焼きを作っていた所。
卵焼きをフライパンからお皿に出さずにおばあさんを探しに飛び出して行ったのです。
これはあれしかない!火事だ。
おばあさんを助けられたけれど、ダイケンの家は火事で焼失、きっと幼い兄弟が巻き込まれて…なんだかよくわからないけどそれが原因に違いない。
そんな仮説を立ててハラハラと行く末を見守ったのでした。
結果、全く違いましたが。
ダイケンのしたことはいけないけれど、あれは情状酌量の余地ありの気がしました。
あんな先生いけないよな。
エガオのバイクで市中引き回しの刑は怖かったです。
幼き日の岩本くん(仮)の家のインテリアが妙に小洒落ていて、猫型のウォールライトがあったり、室内が殺風景でもなくちゃんと片付いていたり、殺伐とした両親の作った家としてはあたたかみもあるからチグハグだなぁと感じました。
ジョーと岩本くん(仮)の争いシーンで花を添えるヨーヨーが笑いも添えてくれました。
なんか…いくつも吊るされているんですけど…
後にそれはクロのよすがということがわかりますが、それにしても唐突ヨーヨーでした。
宮近くんの川島隼人役も逃せません。
か、川島⁈(如恵留担です)
正直、一番救いがなくて可哀想な役でした。
そして重要な役でした。
隼人のしたことが誤解だったらどんなによかったか。誤解であれと願って見ていましたが、実際は精神的には裏切っていなかったけれど、行動は裏切ったことになってしまって悲しみを覚えました。
しかも、隼人の手紙でジュンは救われたけれど、隼人は…砂漠に入ってしまったかのように、物語の中では行方知れず。
最後、年老いていない年老いた横山くん(看守)がジュンのノートをめくるシーン。
ジュン…なぜ隼人の姿を描いてくれなかったのかな?
わたしが思うに、ジュンは対象をしっかり見ながら描くのではなく、記憶力が凄まじいオノレ・ドーミエタイプです。
だから目の前にいない隼人だって描けた筈なのです。
最後に自画像を描いていましたが、あの自画像は自画像っぽくなかった。
自然な表情だったから。
鏡に映った自分ではなく、写真でも見た感じです。
自画像だったら、ジュンの場合もっと見開いた目になるような気がします。
あの自画像は不思議…
隼人からジュンへと話題がすり替わってしまいました。
隼人はあんな頭の天辺からつま先までまごうことなき悪者に騙されてばかです。ピュアとも言えます。
あんな…西森博之先生の漫画に登場するような見た目が悪いヤツに騙されるなんて。
(※西森博之先生、漫画家。代表作はドラマ化もされた『今日から俺は』わたしのお気に入りは『導士郎でござる』オススメは『お茶にごす』かならずヤンキーやヤクザっぽいキャラが登場して西森世界を味わい深くしている。)
注文をつけられるとしたら、野暮は承知で、騙す人は上品で一見凄く良い人が良かったです。憎しみも倍増しそうですが、隼人が頭弱そうなのがわたしとしては気になってしまいましたので。
隼人に救いがなかったのは、最後に刑務所がホテルになり、ショーが行われるシーンにも姿が見えなかったことからもうかがえます。
料理人になって出てくるのでは?という期待が砕かれて、華やかなショーを楽しみつつ隼人の心配をしてしまいました。姿が宮近くんですので。
シーンが前後してすみません。
脱獄直前、フォーメーションがどうのこうの!でパチンと碁石を並べたシーンがまた耐えきれませんでした。
あの碁石の並びは刑務所の形だったのかな?
あのフォーメーションで脱獄ダンスを踊ってくれるのだろうと思ったので、意外にも脱獄では踊らなかったのが衝撃でした。
予想外に必死に走ってる。
扉を開けたジョーが仲間を先に行かせた場面は、リーダーとしては正しいけれど今回の目的を考えたら悪手。ちょっとジョー‼︎先に行かなきゃ駄目じゃないですか‼︎とやきもきしました。
案の定看守に捕まるジョー。
そうなるとは思いましたが。
室くん(仮)が病室のシーンで召されたと思ったのに、存命だったのも衝撃でした。
もしかしてラストシーンの室くん(仮)は幽霊でしょうか。
彩度の高い、服の柄率の高い世界で関ジュが歌い踊るのは、絶対に室くん(仮)が見た走馬灯というか幻の光景だと解釈しました。
あのおめでたさ(彩度と柄)は極楽のメタファーではないでしょうか。どうでしょうか。
映画かぐや姫で、月の世界からチャカポコシャンシャンお迎えが来るあの感じを彷彿とさせました。
やはり室くん(仮)はラストでは幽霊、の方が納得が行きます。
逆にラストシーンの元看守(髭くらい装着しても良かったのでは。お似合いになると思います)は、召されているとは全く思わずに、顔もあげられない程落ち込んでいるものと思って見ていました。
そんなにか⁈ジュンの絵を見て…⁈
混乱したまま終わったら、どうやら事切れていたとのことで。
それにしてもよくわかりませんが…ただ、帽子にスーツのおじさんが野外の椅子で亡くなる、というのに『ベニスに死す』のアッシェンバッハの最期が思い出されました。
もしかしてもしかすると、オマージュ…だったりするでしょうか。
そうなると看守の解釈が結構変わります。
でもこれ以上ここでは考えません。
ショーの最後に白い布で宙吊りになる人を勝手にジェシーだと思い込んでいたのですが、違ったのも衝撃でした。
ジェシーはショーには出ていませんでした。
歌のシーンで、字幕が出たら良いのになぁと思いました。(ついでにツナギの胸と背中にデカデカと役名があったら良いなぁとも)
初見で耳からの情報だけではなかなか頭がついて行きません。
しかし京本くんの歌声は妙に分かりやすくて、意味も同時に入ってきました。
ジョー「なんでお前ここにきたんだよ(うろ覚え)」
ジュン「…♪〜それは空が青いから」
わたし「⁈⁈⁈」
ジュン歌い切る
まったく表情を変えないジョー「いつか言うだろ(うろ覚え)」
わたし「⁈⁈⁈」
しめ担の同僚に聞いたところ、舞台ではお馴染みの歌なのだとか。
初見には混乱の極みでした。
京本くんの歌声は澄んで美しかったです。
ジャニーズ伝説を見てから戸塚くんの演技が好きなのですが、今回も良かったです。
ただ、ジャニーズ伝説フィルターがかかったままなのか戸塚ジャニーさんに思えてしかたがありませんでした。
思い出していくとキリがありません。
終始、わたしの眉間は困惑を描いていました。
時に腹筋をふるわせ、時に唖然とし、時に無になって。
一言で言うと、楽しみました。
今までにない楽しさ。
実演は勿論良かったけれど、本編が見られて良かったです。
ジャニーズを好きにならなければ、こんな楽しさに出会うこともなかった。
こんな困惑に見舞われることもなかった。
最後に。
旧奈良少年刑務の建物、美しい。
この映画を見るまで知りませんでした。
ホテルになったら訪れてみたいです。
どう締めていいものやらわかりませんでしたが、とりあえずこれにて初少年たちを観て、の備忘録を終わります。